【医師監修】髪の毛をサラサラに近づける方法とダメージ原因を解説

髪の毛の質感は印象に大きく左右するものです。だからこそ、「髪の毛をサラサラにしたい」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。髪の毛の質は先天的なものもありますが、実はケア次第で、サラサラの髪の毛に近づくことが可能です。今回は髪の毛が傷む原因や髪の毛をサラサラにするためのケア方法、普段の生活で注意すべき点などを紹介していきます。

髪の毛のダメージ原因

髪の毛のダメージ原因

髪の毛をサラサラにするためには、まずは髪の毛が傷む要因を把握することが大切です。髪の毛のダメージ原因にはどのようなものがあるのでしょうか。

ダメージの原因1:紫外線

紫外線のダメージは髪の毛を傷める大きな要因です。

頭部(髪の毛や頭皮)は体よりも紫外線を浴びやすいといわれています。

そもそも髪の毛は内側から「メデュラ(髄質)」「コルテックス(皮質)」「キューティクル(毛小皮)」の順で構成されています。

髪の毛はケラチンを中心としたアミノ酸の結合「シスチン結合」でその強度やしなやかさを保っています。シスチン結合は水やアルコール、弱酸や塩類に対して強い抵抗力をもち、簡単には解けません。

しかし紫外線はシスチン結合を切断してしまうのです。シスチン結合が解けると、切れ毛になったりパサつき、ゴワツキが生じやすくなったりします。

また紫外線はキューティクルを構成するタンパク質を変性させます。

キューティクル(毛小皮)がはがれやすくなり、髪の毛のパサつきや切れ毛の原因になることがあります。

地上に届く紫外線はUVAとUVBの2種類です。

UVA……波長が長く、地表に届く紫外線のうち約9割を占めます。真皮にまで達し、シワやたるみ、シミ、ほうれい線を深くしてしまうといった光老化を引き起こすと考えられています。

UVB……波長が短く、地表に届く量は多くありません。表皮にまでしか届かないものの、UVAより強いエネルギーをもち炎症やシミや炎症、そばかすの原因になるといわれています。

そして髪へのダメージはUVBのほうが大きいことが実験でわかっています。

ダメージの原因2:ヘアカラーやパーマ

薄毛をカムフラージュするためにヘアカラーやパーマをする人もいらっしゃるでしょう。

しかしヘアカラーやパーマは、強いアルカリ性の薬剤で強制的にキューティクルを開くため、髪の毛に大きなダメージを与えてしまうのです。

パーマやヘアカラー1回で髪の毛が約0.03ミリ細くなるともいわれます。

ヘアカラーは1剤(酸化染料とアルカリ剤)2剤(酸化剤)で髪の毛に着色していくものです。以下のようなプロセスを踏み、髪の毛の色を変えます。

  • 1剤と2剤が混ざった「混合液」を髪の毛に塗布し、髪表面のキューティクルを開きます。
  • 1剤のアルカリ剤によって2剤の酸化剤が分解されると、酸素が発生します。
  • 酵素がメラニン色素を脱色し染料を発色させることで髪が染まります。

※染料による着色のこと

ヘアカラーでは、脱色の工程でタンパク質を破壊するため髪の毛にダメージを与えるのです。

パーマの施術は還元剤(チオグリコール酸など)と酸化剤(臭素酸ナトリウム、過酸化水素などの酸化剤)を使います。パーマのプロセスは以下のとおりです。

  • 強いアルカリ性の還元剤でケラチンのアミノ酸結合(シスチン結合)を切り離します。
  • シスチン結合が解かれた髪の毛は、組成が軟弱になります。
  • 酸化剤を塗布し再結合して形を変えます。

パーマは髪の毛の構造を人工的に動かすことになるため、大きな負担がかるわけです。

ダメージ原因3:シャンプーなどのヘアケア製品

髪の毛をサラサラにするために、シャンプーやオイルなどを使用している方は多いでしょう。

しかしケースによってはダメージになることもあります。

ヘアケアアイテムは髪の毛の質や状態にあったものを使うことが大切です。

たとえば乾燥した髪の毛に洗浄力の強いシャンプーを使うと、傷みにつながることがあります。

とくにカラーやパーマを繰り返している髪の毛のではただでさえダメージが蓄積しています。そのような状態で洗浄力の強いシャンプーを使うと、傷みが進行するリスクもあります。

逆に十分にうるおっている髪の毛に保湿系のシャンプーを使うと、べたつきの原因になりかねません。

ヘアオイルもつけすぎは逆効果になることがあります。

ヘアオイルは基本的に髪の毛の表面を油分でコーティングし、内側の水分の蒸発を防ぐものです。

そのためつけすぎると油分が髪の毛に残り、かえってゴワつく原因になる可能性があります。

ダメージ原因4:摩擦刺激

髪表面のキューティクル(毛小皮)は硬い半面、摩擦に弱い特性をもちます。

キューティクルがはがれると内部の水分や栄養が流出し、パサつきやゴワつきが生じやすくなります。

たとえば強引なシャンプーや無理なブラッシングによる摩擦はダメージになることがあります。

衣服の着脱による摩擦やブラッシングなどによって発生する静電気も、キューティクルを損傷し、髪の毛のダメージを与える要因になりえます。

乾燥する冬は静電気も起きやすいため注意しなければなりません。

ダメージ原因5:温泉・サウナ・プール

アルカリ性の温泉も髪の毛のダメージになることがあります。アルカリ性の液体はタンパク質を溶かす働きをもちます。

アルカリ性の温泉にいくと肌がつるつるになる気がするのは、お湯のアルカリ分が肌表面の角質を溶かすためです。

温泉に髪の毛が浸るとタンパク質が溶け、アルカリ性に傾きます。

髪の毛がアルカリ性に傾くとキューティクルが開き、内部の成分が流れ出てしまいます。その結果、傷みやパサつきなどが生じることがあるのです。

近年流行っているサウナにも注意が必要です。サウナは発汗や血行促進が期待でき、髪の毛に好ましい影響を与えるようにも思えますが、熱は髪の毛にダメージを与えます。

ほかにも、プールに含まれる塩素はタンパク質に付着する性質があります。髪の毛が塩素のなかに長時間さらされるとキューティクルのタンパク質が変質し、キューティクルがはがれやすい状態になるといわれています。

髪の毛をサラサラにする方法

髪の毛をサラサラにする方法

髪の毛をサラサラにするには上記のような髪の毛のダメージ要因を踏まえ、内外からのケアを継続していくことが重要です。

以下ではサラサラの髪の毛に近づくための方法を紹介します。

アウターケア

まずはアウターケアから見ていきましょう。

シャンプーの方法に気をつける

シャンプーもやり方次第ではダメージになりかねないため、正しい方法で行うことが肝心です。以下にシャンプーの手順を紹介します。

STEP1:ブラッシング

洗髪前にブラッシングをするのがポイントです。

朝のうちに髪の毛をきれいにとかしていても、夜には絡まってしまっていることは少なくありません。

先にブラッシングするとシャンプー時に髪の毛の絡まりを最小限におさえられます。

キューティクルが整う効果も期待できます。

STEP2:予洗い

2分程度のお湯洗いで、7割方汚れは落ちるとされています。

汚れを大まかに落とすことで泡立ちがよくなり、シャンプーがしやすくなります。

STEP3:指の腹を使ってやさしく

頭皮をやさしく指の腹でマッサージするように洗いましょう。

頭皮の毛穴の汚れは、健康な髪の毛の発育への妨げになるリスクがあります。

STEP4:しっかりすすぐ

2~3分間、すすぎ残しのないようしっかりと洗い流すことが大切です。

シャンプーが髪に残ってしまうと、髪のパサつきの原因になります。

お風呂あがりのケアも徹底する

髪の毛は濡れるとキューティクルが開いてしまいます。無防備な状態でさらされる時間が長引くほど髪の毛はダメージを受けやすくなるため、脱衣所にあがったらなるべく早く乾かすことが肝心です。

ドライヤーのポイントは次のとおりです。

  • 髪の根本から毛先に向かってかける
  • 近づけすぎない
  • 手早く乾かす
  • 仕上げに冷風

乾きにくい根元からドライヤーをかけることで髪の毛へのダメージをおさえられます。

仕上げは冷風モードに切り替えることでキューティクルが引き締まってサラサラになります。

ヘアケアアイテムを見直す

毎日のケアを見直し、髪質や髪の毛の状態にあったヘアケアアイテムを使うことが大切です。

髪の毛のパサつきや傷みが気になる方はアミノ酸系やベタイン系のシャンプーを使うとよいでしょう。うるおいを残したままやさしく洗い上げることでき、サラサラの髪の毛に近づけます。シリコン成分配合のものもおすすめです。

髪の毛の傷みがひどい場合、トリートメントを洗髪前にする方法もあります。

「リバースケア」といって、通常濡れた髪の毛に使うトリートメントを乾いた髪の毛に使用することで、高いヘアケア効果が期待できるといわれています。

ただしリバースケアは毎日するとベタつきや重さにつながることがあるため、週1日程度がおすすめです。

ヘアオイルは、タオルドライ後の髪が濡れている状態と、ドライヤー後の髪が乾いた状態の2回つけるとケア効果の向上が期待できます。

日焼け対策を徹底

UVカット帽子やオイルで日焼けケアすることも欠かせません。

盲点になりがちなのが秋や冬の紫外線対策です。

環境省発表の資料によると、秋では夏の6~7割、冬でも夏の2割程度の紫外線が降りそそいでいます。

つまり季節にかかわらず日焼け対策は必要です。

曇りや雨の日も注意

また曇りや雨の日も油断してはいけません。気象庁によると、快晴のときの紫外線量を100%とすると、晴れのときは約95%、薄曇りのときは約80~90%、曇りのときは約60%、雨天でも約30%降りそそぎます。

とくにUVAは窓ガラスを通り抜けるので、屋内でも可能な限り対策を講じることをおすすめします。

インナーケア

続いてインナーケアを紹介します。

食事の栄養バランスを意識する

栄養状態は髪の毛の状態に直結するため、普段から食事を意識することは重要です。髪の毛の主たる成分はケラチンと呼ばれるタンパク質です。

ケラチンを合成するために必要なアミノ酸、タンパク質などをバランスよく摂取しましょう。

髪の毛をサラサラにするために積極的な摂取が望まれる栄養素に、ビタミン類があります。

たとえばビタミンEは、健康な髪の毛の成長を助ける作用があると考えられています。

ビタミンB2、B6には皮脂の分泌を正常に保つ作用があるといわれています。

ただしこうした髪の毛に好ましい働きが期待できる栄養素も過剰摂取には要注意です。

亜鉛を長期にわたり過剰摂取すると嘔吐や下痢などの症状を起こすこともあります。

忙しく献立を考える余裕がない方は、サプリメントを活用すると便利です。

女性の薄毛対策におすすめの食べ物についてはこちらをご覧ください。

関連記事

「抜け毛が気になるけど、育毛剤や薬には頼りたくない…」「日々の暮らしのなかで手軽に薄毛のケアができたらいいのに…」そんなお悩み、お持ちではありませんか。実は毎日の栄養に気をつけることで薄毛対策が可能です。この記事では、女性の薄毛対[…]

睡眠習慣を改善して質のいい眠りを

サラサラな髪の毛を手に入れるためにはしっかり睡眠をとることも重要になります。

睡眠に関して頭に入れておきたいのが、大事なのは睡眠の長さではなく、質であることです。

「睡眠のゴールデンタイム」というフレーズを聞いたことがあるのではないでしょうか。

成長ホルモンが最も活発に分泌される時間帯には寝ておくべきとする理論です。成長ホルモンが最も分泌されるのは、入眠後の最初の3時間であることがわかっています。

睡眠の質を高めるにはたとえば次のようなことを意識するとよいでしょう。

  • 毎日決まった時刻に寝る
  • 食事は就寝3時間前までに終える
  • 就寝90分前に入浴
  • 就寝前に軽くストレッチをするなど

まとめ

髪の毛をサラサラにするためには、まずは髪の毛のダメージを与える要因を知り、それを取り除く努力をすることが大切です。その上で日ごろのヘアケアや食事、生活習慣にも気を配り、内外からのケアを継続することが欠かせません。